こんにちは。宮本歯科医院です。
本日は女性ホルモンと歯周病の関係についてのお話したいと思います。
歯周病とは、歯を支持している歯周組織が細菌の感染によって炎症を引き起こす炎症性疾患です。
1,思春期
2,妊娠中
3,更年期
女性には、男性とは異なった遺伝的背景やホルモンの違いがあるため、お口の症状にも女性特有の問題が現れることがあります。
1,女性の思春期・・・およそ10歳から18歳
黄体化ホルモンと卵胞刺激ホルモンが分泌されます。
これらのホルモンによってプロゲステロンとエストロゲンという女性ホルモンの分泌が始まります。
このプロゲステロンの量が増えると歯肉の知覚が敏感になり、ちよっとした刺激に対して大きな反応が現れてくる場合があります。
例えば、少量のバイオフィルム(プラーク)や食べ物のカスが歯肉の縁に付着しているだけで、著しい炎症反応が出てしまう場合があります。
そして歯肉が腫れて、出血しやすくなり、人によっては痛みを伴う場合もあります。
このような歯肉炎は女性ホルモンとの関係が深いことから、思春期の男の子には一般的には見られません。
思春期のこのような症状は、女性特有のもので、人によっては月経の始まる3~4日前に歯肉が腫れたり出血することもあります。
2,妊娠期 妊娠中の歯痛
胎盤の発育にともないプロゲステロンとエストロゲンが産出され、これらのホルモンは歯肉溝内での濃度も上昇します。
すると、これらの女性ホルモンを摂取することで増殖するプレポテラ・インテルメディア菌の数が、妊娠12~13週目ごろになると妊娠初期の5倍にも増加します。
このために、こく少量のプラークや歯石の付着にも反応してしまうため、著しい歯肉炎の症状が出てしまいます。
妊婦さんが歯周病になると、低体重児出産する可能性が大きくなったり、早産の可能性が7.5倍になるなどのリスクがありますので注意が必要です。
3,更年期
歯肉に痛みが走ったり、灼熱感をもったり、味覚の異常がおこったりと口腔内にも様々な症状があらわれますので注意が必要です。
又、骨粗しょう症と歯周病の関係については、健康な女性と骨粗しょう症の女性を比較すると、後者では歯周組織の萎縮傾向が強く見られ、歯を支持している骨の密度が低くなってしまう事がわかっています。
骨粗しょう症予防のために、無理なダイエットはしないようにし、若い時期から骨密度の維持を心がけるようにしましょう。
このように、女性はホルモンの影響で、病気の感受性の高くなる時期があることをご理解いただき、歯肉の知覚が敏感になっている時期は、特にお口の中を清潔に保ち、定期的なメインテナンスを受けることが大切です。
むし歯や歯周病になってから通院するのではなく、お口の病気を発症させないために予防的に歯科医院を利用しましょう。