歯内療法専門医を外部講師に招いた院内勉強会を開催しました!

こんにちは、宮本歯科医院です!

普段宮本歯科医院に勤務している歯科医師たちは、毎週水曜日の診療後の時間を使って定期的に院長が主催する院内勉強会に参加し、スキル向上と最新の歯科医療技術習得のために研鑽を積んでいます。

そして今回の勉強会はスペシャル版として、神戸旧居留地で歯科内療法専門医院(根幹治療、歯の根っこ、神経の治療)を開業されている院長の辰巳大貴先生を宮本歯科医院にご招待。日曜日の丸一日を使って前半はセミナールームで講義、後半は診療室で実技実習を行いました。

さらにこの度は、いつもの宮本歯科医院の勤務している歯科医師たちだけでなく、過去に勤務していた宮本歯科医院OBの先生たちも4人参加して大変賑やかに交流することもできました。

 

勉強会のテーマである「歯内療法」とは?

 

大きな虫歯を抜歯なしで治療するには

歯は人体の中で一番かたい組織です。その中にはいわゆる”神経”と呼ばれている「歯髄」という軟らかい組織があり、根の先にある小さな孔からあごの骨の神経や血管とつながっています。この歯髄が虫歯や外傷により細菌の感染を受けたような場合、歯がひどく痛んだり、歯肉が腫れたりすることがあるのです。

このようなときに歯を抜くことなく長い間機能できるようにするには、歯髄の一部やすべてを除去して歯を残すような治療が必要になります。

 

歯内療法(根管治療)で自分の歯を残す

歯内療法(根管治療)は、できるだけ長く自分の歯を残せるように研究し続けたことで生まれた、歯を長生きさせるための治療です。文字通り「歯の内部の治療」のことで、来の広い意味の定義では虫歯の治療をしてセメントなどをつめることも含まれていますが、通常は歯の根の中の管(根管)に関した治療のことを指します。




一般には「歯の神経の治療」といわれ、歯を支える土台としての根(根管)の処置なので根管治療(コンカンチリョウ)という治療法を行います。

 

虫歯はどうやって進行するの?

虫歯の進行は以下の5段階にわけられます。

 

C0

歯の状態

溝に着色がある状態です。

 

治療方法

この段階ではまだ虫歯の進行はない可能性がありますので、歯面清掃を徹底しながら経過観察を行います。歯科医師のもとで定期的な診査を行いましょう。

 

C1

歯の状態

歯の表面のエナメル質だけが虫歯になっている状態です。歯の表面がザラついたりシミ小さな黒い点もみられますが、 痛みを感じることはありません。

 

治療方法

ごく初期なので虫歯になっている部分だけを削り、穴をつめて治療します。

 

C2

歯の状態

虫歯が歯のエナメル質をやぶり、その下にある象牙質にまで進行した状態です。この状態になると冷たい水や甘いものなどがしみるようになります。また食べ物を噛んだときなどは痛みを感じることもあります。

 

治療方法

虫歯の部分を除去し、歯髄を保護してつめます。C1と同じく歯冠部の治療で完了します。

 

C3

歯の状態

歯髄という歯の神経に虫歯が到達し、炎症が起きます。穴が大きく深くなるため、いつも痛むようになります。

 

治療方法

この段階では神経を残すことが最良の方法と考え、できるだけ神経を抜かないよう努力します。昔は悪くなった歯をすぐ抜いていましたが、現在はできるだけ歯を残す考え方が主流です。歯質の残存状態により修復の方法は異なりますが、神経をとった歯は破損の心配があるので咬む面を保護する必要があります。根管治療を行い、神経のあった穴を完全に封鎖します。

 

C4

歯の状態

歯の根(歯根)の部分だけが残って歯髄が腐敗している、
虫歯がもっとも進行した状態です。 このためアゴの骨までやられると痛みが出たり腫れたりします。

 

治療方法

健康な歯質がある程度残り、歯根の長さが十分ある場合は、できるだけ歯を残すように努力します。根管治療を行い、神経のあった穴を完全に封鎖。 歯の形態を回復し、冠をかぶせます。

 

 

 

歯内療法は近年、器材や材料、科学的なエビデンスのアップデートが目覚ましい分野です。最新の知見を学べる良い機会となり、非常に有意義な1日となりました。