こんにちは、宮本歯科医院です。
皆さんのまわりで、ボーっとお口が開いてしまっているようなお子様を見かけたことはありませんか?
頻繁に見られるようなら、小児口腔機能不全症の疑いがあります。
お口ポカンの治療について
「小児口腔機能不全症」とは?
原因となる口腔疾患が無いにもかかわらず「食べる機能」「話す機能」「その他の口腔機能」が十分に発達していないか、正常に機能獲得ができていない状態をいいます。よく見られる症状としては、咀嚼や嚥下がうまくできない、構音の異常、口呼吸など。
本人には自覚症状があまりない場合が多く、一緒に生活されているご家族やまわりの方が気付いて医師に相談されることが多い疾患です。
近年、小児口腔機能不全症の小児が増えています。早い段階から気をつけておくことで、歯並びが悪くなる原因となる、舌や唇の癖の改善にもつながります。
お子様のお口ポカンが気になっておられる保護者さまは、お気軽にご相談ください。
小児口腔機能不全症の治療には保険が適用されます!
近年、小児口腔機能不全症の小児が増加傾向にあり、2018年から小児口腔機能不全症の治療には保険が適用されるようになりました。
咀嚼、嚥下機能(噛む、飲み込む)もしくは構音機能が十分に発達していない、または正常に獲得できていない15歳未満の小児に対しては保険の範囲内で治療が行えます。
※検査項目があり、決められた数以上該当する必要があります。
保険の範囲内で治療ができるので、費用負担がゼロなのは大きなメリットです!
(自己負担額は各自治体により異なります。兵庫県はゼロ。)
どのような治療をするの?
治療内容としては、口呼吸、滑舌、咀嚼嚥下の仕方などに改善が必要なお子様には、簡単なお口の体操をしたり、口輪筋(口の周りの筋肉)を鍛えるトレーニングを行います。
治療に痛みなどはありませんので、小さなお子様でも取り組みやすいです。
- あいうべ体操
- りっぷるとれーなー
- うがいトレーニング
- 舌の位置(MFT)
- 噛む・のみ込むトレーニング
- 言葉のトレーニング
舌とくちびるの力のバランスが歯並びに影響します
口腔機能のトレーニングは矯正治療ではありませんので、歯並びをきれいにすることはできませんが、お子様が小さな内から気をつけておくことで、歯並びが悪くなる原因となる、舌や唇の癖の改善にもつながります。
小児口腔機能不全症チェック!
診断の際には「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」(日本歯科医学会)に示されているチェック項目を使用します。
15歳未満の患者様で、チェック項目【C1〜12】のうち2つ以上に該当(咀嚼機能【C1〜6】中のいずれかの1つ以上を含む)する場合には、口腔機能発達不全症と診断される可能性があります。
お子様のお口の状態が気になる方はチェックしてみましょう!
チェックできているかわからない・・・という方は、お気軽にクリニックにお問い合わせください!
◆ 食べる機能
咀嚼機能
- 【C-1】歯の萌出に遅れがある
- 【C-2】機能的因子による歯列・咬合の異常がある:乳歯列完成後(3歳以降)に評価
- 【C-3】咀嚼に影響するう触がある:離乳完了後(1歳半以降)に評価
- 【C-4】強く咬みしめられない:乳歯列完成後(3歳以降)に評価
- 【C-5】咀嚼時間が長すぎる、短すぎる:乳歯列完成後(3歳以降)に評価
- 【C-6】偏咀嚼がある:乳歯列完成後(3歳以降)に評価
嚥下機能
- 【C-7】舌の突出(乳児嚥下の残存)がみられる(離乳完了後)
食行動
- 【C-8】哺乳量・食べる量、回数が多すぎたり少なすぎたりムラがあるなど
◆ 話す機能
構音機能
- 【C-9】構音に障害がある(音の置換、省略、歪みなどがある)
- 【C-10】口唇の閉鎖不全がある(安静時に口唇閉鎖を認めない)
- 【C-11】口腔習癖がある
- 【C-12】舌小帯に異常がある
◆ その他機能
栄養/体格
- 【C-13】やせ、または肥満である(カウプ指数・ローレル指数で評価)
その他
- 【C-14】口呼吸がある
- 【C-15】口蓋扁桃等に肥大がある
- 【C-16】睡眠時のいびきがある
- 【C-17】上記以外の問題点